Forest Bench

ザ・パークハウス聖蹟桜ヶ丘 / 東京都多摩市

ゆったりと流れる多摩川沿いに建つ高層マンション。エントランスは「土」をテーマとした空間デザインが展開されている。ナラ材ベンチから立ち上がる鉄のアートワークは、土から立ち上がる樹木をイメージしたもの。天井の木製ルーバーと座面を視覚的に繋ぎ、同時に座面上の間仕切りの役割を担っている。
遠目に見ると平面的な構成のパーテーションに見えるが、実際は幹となる縦ラインを前後にずらした立体的な構成にしている。このズレが堅牢な構造となって本体の揺れを抑えつつ、見る角度によってシルエットが変わる楽しみもついてくる。
また、安全面を考慮して以下の設定を行った。
・座面からH650mm以下のエリアは横枝を入れない。(よじ登りの足がかり排除)
・枝の飛び出しは、全て15mm以下にする。(引っかかり防止)
・隙間は全て、φ25mmの円が通り抜けるサイズにする。(指挟み防止)
・枝分かれの角度は、全て60度以上にする。(指挟み防止)
・隙間は全て、157mm x 100mmの長方形が入らないサイズにする。(身体挟み防止)
これらは一見、窮屈な縛りに見えるかもしれない。しかしこういったハードルをクリアして生まれた鉄の造形物は、この素材特有の緊張感と、人に優しい安心感・親近感を兼ね備えたものとなる。

wood works : AD WORLD
architect & space design : Interplan Design Center


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